長時間座るときの姿勢|疲れにくい座り方と、腰や肩に負担をかけないポイント

長時間座るときの姿勢|疲れにくい座り方と、腰や肩に負担をかけないポイント

長時間座るときに疲れにくい姿勢を保つには、足元・手元・画面の調整に加え、仕事の区切りで姿勢を変え、画面作業を中断することが大切です。腰や肩へ負担をかけにくい座り方と休息の取り方を解説します。

長時間座ると腰が痛い、午後になると肩がこる。背筋を伸ばすよう気をつけても、つらさが残ることはありませんか?そんなときは、座り方に加えて、画面や手元の位置、作業を続ける時間も見直してみましょう。

ただし、疲れを完全になくす姿勢があるわけではありません。

本記事では、今の机まわりで試せる調整から、仕事の区切りを使った姿勢変更、休息の取り方までを解説します。

長時間のデスクワークで椅子に座る女性
長時間座るときの姿勢は、座り方だけでなく作業全体で考える

同じ姿勢を長く続けると、同じ部位に負担が偏り、腰や肩の疲れにつながりやすくなります。デスクワークで疲れにくい姿勢を目指すなら、オフィスチェアと机まわりを合わせたうえで、同じ姿勢を長く続けないことです。米国労働安全衛生局(OSHA)の作業姿勢ガイドでも、良好な姿勢であっても長時間そのままにせず、姿勢の変更や、立って歩く機会をつくるよう案内しています。

座っている間、人は無意識に姿勢を変えています。健康な成人男性25人の座り方を調べた研究では、1時間に平均約8回(7.8回、個人差が大きい)姿勢を変えていたと報告されています。Reenaldaの研究(2009年)は疲れにくさを検証したものではありませんが、一つの姿勢を守り続けることだけが正解ではない、と考える手がかりになります。

入力するとき、資料や本を読むとき、動画を見るとき、考えを整理するときでは、手と目の使い方が違い、向いている姿勢も変わります。細かな入力や画面の確認では、前に乗り出す前傾(前かがみ)になりがちですが、その姿勢を保つ必要はありません。まとまった入力では手が自然に届く直立、読書や動画視聴、考えごとでは背もたれに預ける後傾など、無理なく作業できる姿勢を使い分けましょう。

ただし、前傾は背中が丸まりやすいため、長く続けないようにします。どの作業でも一つの座り方を守ろうとするのではなく、作業に合わせて姿勢と、椅子や機器との関係を変えていきましょう。直立姿勢と後傾姿勢の考え方は、背筋を伸ばす座り方と、背もたれに預ける座り方の違いで詳しく解説しています。

腰と肩の負担を抑えるために、足元・手元・画面を調整する
腰まわりは、足の支持と背もたれへの当たり方から確認する

まず椅子に深く座り、背中を背もたれに預けたとき、足裏が床に安定して置けるかを確認します。座面の前端が膝裏に当たり続けたり、足を浮かせたりしない高さがベストです。ランバーサポート、つまり腰まわりを支える部分が調整できるなら、強く押しつける位置ではなく、自然に背中を預けられる位置を探してください。

机が高く、手元に合わせて座面を上げると足が浮く場合は、安定した足台を使いましょう。カナダ労働安全衛生センター(CCOHS)の椅子調整ガイドも、椅子だけでなく、作業面と床との関係を重視しています。腰に負担をかけにくい座り方を考えるときは、腰だけを意識せず、足元まで含めて合わせましょう。

椅子を動かした後は、机の下で脚を動かせるかも確認します。収納箱や配線が邪魔になっているなら、姿勢を変えられる空間を先に確保してください。

デスクで作業しやすい座り方を確認する男性
肩まわりは、腕を遠くへ伸ばさずに操作できるかを見る

肩に負担をかけにくい姿勢をつくるには、肩をすくめず、肘を身体の近くに置いたまま入力できる配置を目指します。OSHAのキーボード配置ガイドでは、キーボードを身体の正面に置き、肩を楽にして、手首を前腕と自然につなげる配置を示しています。

キーボードを手前へ寄せても、マウスだけが遠いままでは片腕を伸ばし続けることになります。よく使うものを近くにまとめ、手首を大きく曲げずに操作できるか試しましょう。アームレストは腕を支える位置へ調整しますが、高すぎて肩が持ち上がる、机に当たって近づけない場合は、先に高さや位置を見直します。

画面は、身体を前へ寄せなくても読める位置にする

小さな文字を読むたびに顔を画面へ近づけているなら、座り方に注意する前に、表示を拡大してみてください。画面の正面に身体を向け、上端がおおむね目の高さか、それより下になる位置を目安に、見やすさを調整します。これはOSHAのモニター配置ガイドでも示されている考え方です。

ノートパソコンは画面とキーボードが一体なので、画面だけ見やすくすると入力面が高くなりやすい点にも注意が必要です。長時間使うなら、スタンドと外付けキーボード・マウスを組み合わせ、視線と手元を別々に合わせる方法があります。英国安全衛生庁(HSE)の作業環境ガイドでも、この配置を紹介しています。

姿勢を変えるタイミングを、仕事の区切りに組み込む
作業の切り替えを、身体を動かす合図にする

「気づいたら動こう」では、集中している間に忘れてしまいがちです。メールの送信や会議の終了など、もともとある仕事の区切りと結びつけてみましょう。次の表は、姿勢変更を取り入れるための実行例です。全てを行う必要はなく、続けられそうな場面から選んでください。

仕事の区切り 取り入れる動作 確認したいこと
まとまった入力を終えたとき キーボードから手を離し、座り直す 肩を上げたままになっていないか
資料の閲覧や読書、動画視聴へ切り替えるとき 背もたれに預ける姿勢へ変える 画面を見るために首だけ前へ出ていないか
オンライン会議の前後 安全に立ち上がり、机から少し離れる 続けて座ったまま別の画面を見ていないか
電話や考え事の時間 作業に支障がなければ、立つ・短く歩く 入力を必要としない時間まで座り続けていないか

会議中など自由に席を離れにくいときは、無理のない範囲で座り直したり、背もたれの設定を変えたりしてみましょう。動くと痛む場合に、表の動作を我慢して行う必要はありません。

後傾姿勢では、背もたれに預けつつ画面と手元も合わせる

背もたれを倒し、腰を支えながら身体を預ける後傾姿勢は、条件によって腰まわりの負担を抑えやすくなります。座位の生体力学に関する文献レビューでは、腰部の支持を伴う一定範囲の後傾姿勢で、腰椎の椎間板にかかる圧力や背筋の活動が低かったという知見が整理されています。OSHAの作業姿勢ガイドでも、背もたれに預けて少し倒すリクライニング姿勢(太ももに対して約105〜120度)を、基準となる姿勢の一つとして示しています。ただし、こうした生体力学的な知見は、痛みや疲れが必ず減ることを保証するものではありません。

背もたれに身体を預けて後傾姿勢をとる様子

後傾するときは、座面に深く腰掛け、腰から背中を背もたれに預けるのが基本です。身体が背もたれから離れたままでは、倒しても支えを得にくくなります。

そのうえで、背もたれを倒しても、キーボードへ届かせるために腕を伸ばし、画面を見るために首を前へ出していれば、身体と作業場所の位置が合っていません。腰を支えることだけに注目せず、足の支持、腕の位置、視線まで確認しましょう。

たとえば資料を読む間は背もたれに預け、入力へ戻るときは手が自然に届く姿勢へ戻す、といった使い分けが考えられます。深く倒すほど腰の負担が必ず減るわけではないため、作業がしやすく、身体の一部だけを無理に伸ばさない範囲で切り替えてください。

長時間座りっぱなしの疲労対策は、画面作業を中断することも含める
連続作業の間に作業休止を入れる

姿勢を少し変えることと、画面作業そのものを中断することは、分けて考えましょう。パソコンでの入力・検索・編集などを対象とする厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」では、連続作業が1時間を超えないようにし、次の連続作業までに10〜15分の作業休止、連続作業の途中にも1〜2回程度の小休止を設けるよう示しています。

休止中に椅子で読書をする男性

ここでいう作業休止は、昼休みなどの休憩時間とは別に、画面の注視やキー操作、同じ姿勢を中断するための時間です。他の業務へ切り替えることも含まれます。仕事内容や個人差を踏まえた管理の目安であり、この時間を守れば疲れや痛みを防げるという保証ではありません。

休止中に何をするか先に決めておく

パソコンを閉じても、同じ座り方でスマートフォンを見続ければ、画面を見ることも座りっぱなしも続きます。休止の目的に合わせ、遠くを見る、机から離れる、画面を使わない作業へ移るなど、次の行動を用意しておくと取り入れやすくなります。

HSEの画面作業と休止のガイドも、休止や作業変更によって立つ、動く、姿勢を変える機会をつくるよう案内しています。休止の予定を忘れるなら、カレンダーや通知を合図に使う方法もあるでしょう。

予定が詰まって休止を取りにくい場合は、会議の間隔や業務量の調整も必要です。働く本人が姿勢を頑張るだけで解決しようとせず、職場の上司や同僚と、作業を中断できる進め方を相談してください。

痛みやしびれが続くときは、座り方だけで対処しない

腰痛や肩のつらさを、全て座り方のせいと決めつけないことも重要です。痛みが続く、悪化する、仕事や日常生活に支障がある場合は、姿勢の調整だけで対処せず、医療機関へ相談しましょう。痛みを押して座り続けたり、無理なストレッチをしたりしないでください。

英国の公的医療サービスNHSの腰痛案内では、突然の強い腰痛や急速な悪化は急ぎの相談が必要とされています。腰痛に加え、両脚のしびれや脱力、陰部・肛門まわりの感覚の低下、尿が出にくい・尿や便が漏れるといった症状のいずれかがある場合は、早めに医療機関を受診するようにしてください。こうした症状を「長く座っただけ」と自己判断して、様子を見続けないようにしましょう。

動きに合わせて支える椅子で、姿勢を切り替えやすくする

座り方を変える習慣を続けるには、椅子の調整機能の使いやすさも確認しておきたいところです。まずは今のオフィスチェアで、座面の高さ、背もたれ、アームレストを合わせてみてください。椅子の構造が身体の支え方にどう関係するかは、「疲れない椅子」はあるのか、疲れにくさを左右する仕組みで詳しく解説しています。

デスク環境で背もたれに支えられて座る様子

LiberNovoでは、身体にかかる圧力や姿勢の変化に合わせて、サポートも継続的に変わるというダイナミックエルゴノミクスの考え方を設計の軸にしています。動かずに座ることを前提とした固定のサポートでは、変化し続ける身体を支えきれない、という発想です。

LiberNovo Omni SEには、ヘッドレスト・背もたれ・アームレスト・座面が身体の動きに合わせて連動するダイナミックサポートを採用しています。背中の形に合わせてパネルごとに動くフレックスフィットバックレストと、手動調整式のランバーサポートで背中と腰を支え、作業内容に合わせて5段階のリクライニング姿勢を選べます。考え方や開発の背景は、動的エルゴノミクスの開発ストーリーで紹介しています。

座る人に合わせた調整と、作業中の姿勢変更を支えるための構造であり、休息や医療機関への相談に代わるものではありません。作業環境を見直すときは、椅子の機能と机・入力機器の配置を一緒に確認してみてください。

まとめ:長時間の姿勢を保つより、無理の続かない環境へ

長時間座ってもまったく疲れない姿勢を探すより、足元・手元・画面を合わせ、仕事の区切りで姿勢を変え、画面作業を中断する時間をつくることを考えてみましょう。今日から始めるなら、いつ身体を動かすかまで予定に組み込んでみてください。痛みやしびれがあるときは、我慢して続けず、症状に応じた医療相談も必要です。

LiberNovo Omni SEは、身体の動きに各部が連動するダイナミックサポートを備えています。椅子でも姿勢の切り替えを支えたい方は、LiberNovo Omni SEの機能と仕様を確認してみてください。